いじめ、自殺の主要因 大津・第三者委報告書

いじめ、自殺の主要因 大津・第三者委報告書
京都新聞 2013年1月30日(水)23時29分配信

 大津市で2011年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺し、いじめとの関連が指摘されている問題で、事実解明を進めてきた第三者調査委員会が市に31日に提出する報告書に、同級生によるいじめが自殺の大きな要因になったとする判断を盛り込むことが30日、分かった。焦点だった、いじめと自殺の因果関係を認める内容となる。
 第三者委は約5カ月の調査の中で、同じ中学に通う生徒や教師、市教育委員会幹部、遺族から聞き取りを進めた。学校や市教委が残した資料と合わせて、いじめの事実を確定した上で、複数の観点で自殺の原因を考察した結果、いじめが大きな要因になったとした。
 その一方で、自殺後、市教委が自殺との関連に言及していた男子生徒の家庭内での問題については、大きな要因ではないと結論付けた。
 いじめたとされる3人の同級生の行動についても、聞き取りや資料を基に調べ直した。その結果、3人の関与の度合いには差があるとの見方を強めているとみられる。
 また学校と市教委の対応についても問題点が整理され、再発防止策の一つとして、市教委を外部からチェックする態勢の強化が必要とする指摘などが盛り込まれる方向だ。
 第三者委は昨年8月に設置され、弁護士や大学教授、臨床心理士ら遺族側の推薦者を含む委員6人が作業を進めてきた。
 遺族が市や同級生らを相手に損害賠償を求めている訴訟では、市は和解の意向を示しているが、第三者委の報告書を受けてあらためて対応を決める方針。

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